身近な医療情報
「介護うつ」ご存じですか?
近年高齢化が進み、在宅で認知症や寝たきりの方の介護をされている介護者に起こるうつ病のことです。これは介護している時だけでなく、介護が終わった後に介護うつになるケースもあります。原因としては、介護に対するストレス、経済的負担、家族との人間関係があります。
介護をされている方でしばしば、「責任感」によって無理をします。特に世間体を気にして「施設やプロの手を借りるのは無責任だ」という思い込みをし、その結果として、「人の手を借りない介護」をしてしまい、追い詰められることがよくあります。
また、社会生活から身を遠ざけることによって、相談相手がいないという「孤独感」が介護者にとって大きな負担になります。また、たとえ相談相手がいたとしても、「思っていること全ては話せない」という気持ちにさいなまれ、自分自身の悩みを打ち明けられなくなることもあります。
介護うつになりやすい人には、いくつかの特徴があります。
・責任感、自責心も強い
・真面目な気質である
・周囲に相談せずに、自分自身で解決しようとする
そこで重要なのが、「ストレスを減らす」ということです。うつ病は、休養などでストレスを受ける要因から意識的に離れることが大切です。
例えば、専門家に頼ること、専門施設に被介護者を預けることが挙げられます。これらを活用して、介護者が休養をとることは、決して責められるようなことではありません。むしろ、専門家の適切なアドバイスや介護を受けたりすることは、被介護者にとってもプラスの効果を及ぼします。
リフレッシュのために自然に触れたり、買い物や映画鑑賞などという自分の 時間を見つけましょう。
つばさクリニック 鈴木 智広 先生