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女性の不定愁訴と心身症

 産婦人科には、心身症に該当する疾患が多数認められます。女性の中には、きっと何となくそう感じられる方もいらっしゃると思います。よく知られているものでは、更年期症候群、月経前症候群、つわり、摂食障害などがあります。


 心身症とは、心の葛藤やストレス、不安感などに起因して器質や機能に現れる病状が大きく左右される病気の総称です。人の身体は、内分泌系(ホルモン)・自律神経系・免疫系が複雑に関係し合って無意識のうちに調節されバランスを保っていますが、ここにストレスが加わることでバランスが崩れ様々な症状として現れてくるのです。


 女性は常に女性ホルモンの周期的な変化にさらされ、しかも免疫システムにも大きな影響を及ぼす妊娠・出産を体験しますから小さなストレスでもバランスを崩しやすいのでしょう。


 現代社会では、子供から老人まで多くの方々が日々多くのストレスにさらされており、それに伴い心身症も増加の一途を辿っています。当然、産婦人科だけでなく他の全ての科に心身症は見られます。例えば、高血圧症、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍、自己免疫疾患やアレルギー等も、広義に解釈すれば心身症と言えます。


 不定愁訴の患者様に向き合ったとき、私はまずその方のお話にじっくり耳を傾けます。もちろん、器質異常の特定や症状を緩和するための治療も大切ですが、なかなか回復の兆しが現れない、一時症状が軽くなっても何度もぶり返すという場合、本当の原因が患者様の心の中に潜んでいることが多いのです。


 そのような時はお話を通して患者様の心の悩みを引き出し、理解し、同調・共感してさしあげることが治療の第一歩になります。決して精神論ではなく、安易に励ますのでもなく、包み込むような寛大さと優しい一言が心身症治療には何より大切だと、私は思っています。


鶴川台ウィメンズクリニック 池谷 幸太郎 先生

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