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うつ病の患者さんに対する接し方について

 うつ病の患者さんに対する接し方について、巷では、決まり文句のように「頑張れ」と言わないこととされています。それはもちろんその通りです。その理由は「頑張れ」と言われた患者さんは、「頑張っていない人」のように取り扱われることになるからです。そのような扱いは、患者さんを意気消沈させはしても、元気づけることはありません。では正しい接し方とはどのようなものでしょうか?


 当然ながら、患者さんが元気づけられる接し方こそが望ましいのです。患者さんを元気づけるために重要な心構えとは、患者さんを「頑張っている人」として考え、そのように取り扱うことです。


 ですので、患者さんの努力している所を出来る限り見つけては、その都度「頑張っておられますね」と肯定してあげることが大切です。ささやかに見えても、日常生活における患者さんなりの努力を見つめ、その汗をねぎらってあげましょう。例えば、普段寝込んでいる患者さんが、外出を少しでもしたなら、それは大変な努力の結果なのです。その時には、「外出頑張ったね」と声をかけるのも一法でしょう。


 また、患者さんの生活について意見がある場合にも、提案の形をとりましょう。例えば、「~をしたら?」と意見を押し付けるのではなく、「~はどう?」と伝え、患者さんに選択してもらうのです。疲れやすいうつ病の患者さんに意見を押し付けることは、かえって疲労感を強めてしまうものです。患者さんに意欲的になってもらうためには、その選択の自由を尊重することが大切です。誰でも自分が決めたことは意欲的になれるものだし、患者さんを尊重することが、患者さんを元気づけることでもあるからです。


 うつ病の患者さんと接するときには、粘り強い、穏やかな態度が重要です。接する方々も焦りすぎず、患者さんを批判せずに、肯定し、その選択の自由を尊重するように日々心がけることが、長い目で見れば、患者さんの改善につながるのです。


町田まごころクリニック 鹿島 直之 先生

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