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中高年の肩痛について

 肩の痛みを日ごろ感じられる人も多いと思います。たとえば、肩が痛くて腕を上げることができない、肩から首の痛みがある、痛みのほかに手のしびれや動かしにくさがある、痛痒い発疹が出た、肩から胸が痛い、などがあります。


 肩が痛くて腕が上がらないと、五十肩ではないかと思う人が多いと思います。五十肩という名称は、江戸時代の国語辞書「俚言集覧(りげんしゅうらん)」に「凡、人五十歳ばかりの時、手腕、骨節痛むことあり、程すぐれば薬せずして癒ゆるものなり、俗に之を五十腕とも五十肩ともいう。また長命病という。」に由来します。


 長生きする(人間五十年の時代でした)とよく起こる病態で、レントゲン写真やMRIでは異常がなく放っておいても自然治癒するといわれています。このような精査をせずに五十肩といわれる中には何回も、何年も肩痛が続く患者さんがいますが、不思議ですね。


 このような患者さんにMRI検査を行うと、約半数は肩の腱(腱板といいます)が傷んでいることがわかります。腱板が切れた(腱板断裂といいます)場合には手術すべき場合もあるので、長期にわたりあるいは再発を繰り返す場合にはMRI、超音波検査などが必要です。


 肩から首の痛みがある、痛みのほかに手のしびれや動かしにくさがある場合には頸椎で神経根が圧迫されているかもしれません。頚椎症性神経根症とか、頚部椎間板ヘルニアなどの疑いで頸椎のレントゲン、MRI検査が必要です。また、首から肩に痛痒い発疹が現れることがあります。ヘルペスの可能性があり、皮膚科への受診を勧めます。


 さらに肩痛だからと放っておくと死に至る病気が隠れていることがあります。左肩から左胸がじっとしていてもひどく痛い場合には、狭心症や心筋梗塞かもしれません。高齢者では自覚症状が軽度なことがあり注意が必要で、早急に心電図など適切な検査、治療が必要です。
怖いですね、肩痛には注意が必要ですね。


やまざき整形外科・外科 濱田 一壽 先生

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