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痛み止めの使い過ぎにより引きおこされる頭痛

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痛み止めの使い過ぎにより引きおこされる頭痛

 頭痛持ちのみなさんはドラッグストアで購入した痛み止めを飲んで対応してしまっている方も多いのではないでしょうか? 代表的な慢性頭痛の原因と考えられている片頭痛の人は840万人いると言われていますが、片頭痛で定期的に医療機関を受診している人は全体の2.7%で、多くの方は市販薬で対処していると推測されます。


 命に別状のない片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛であることが前提ですが、市販薬での効果も期待できます。一方で市販薬は患者さんご自身で制限なく入手できるので長期間、痛み止めを繰り返し服用することによる頭痛(薬物乱用頭痛)と考えられる方は珍しくありません。以前から月に15日以上頭痛があり、1ヶ月に10回以上、3ヶ月を超えて痛み止め(鎮痛薬)を服用し続けている方はこの可能性がありますので、診察を受けることをお勧めします。


 薬物乱用頭痛の治療の原則は、①原因薬剤の中止、②薬剤中止後に起こる頭痛への対処、 ③予防薬投与になります。
 ②については、片頭痛は症状が強まると治療への反応が悪くなるため、適切な鎮痛薬の選択と使用回数の制限をした上での早期治療が必要になります。③の予防療法については、ストレス、喫煙習慣、運動不足、肥満、睡眠時無呼吸などが危険因子と報告されているので、日常生活における修正が大事です。
 また不安、うつ病、身体表現性障害などの精神的背景があると薬物乱用頭痛からの離脱が困難となるので、精神科・心療内科での適切な治療が必要になる場合もあります。


 薬による治療では、最近新たに抗体医薬品であるCGRP関連製剤が使われはじめ薬物乱用性頭痛への有効性も報告されていることから、原因薬剤からの離脱が難しく、従来の頭痛予防薬では十分な効果がなかった方にも効くことが期待されます。
 自己流の治療で頭痛をこじらせてしまわないためにも、頭痛で悩まれる方、一度医療機関で相談してみてはいかがでしょうか?

若山クリニック 若山 幸示 先生


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