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生魚を食べる際の注意点:胃アニサキス症について

 アジやイカなどの生魚を楽しむ機会が増えるこの季節、胃アニサキス症に注意が必要です。胃アニサキス症は、生で食べた魚が原因となって起こる疾患です。以下に詳細をご説明します。


胃アニサキス症とは?
 胃アニサキス症は、寄生虫の一種であるアニサキスが原因となる病気です。アニサキスは、サバ・アジ・イワシ・サンマ・ホッケ・イカなどの魚の内臓や筋肉に寄生しています。生で食べることにより、アニサキスが胃壁に刺入(寄生)することがあります。


症状は?
 通常、生魚を摂取してから6~9時間後に強い腹痛や嘔吐などの症状が現れます。この痛みは徐々に軽減されますが、1~2週間後にアニサキスが胃壁に完全に埋もれ、強いアレルギー反応を引き起こす場合があります。また、活きの良いアニサキスの場合は、胃壁を突き破り穴を開けることがあり、緊急手術が必要な状況も生じます。


治療法は?
 胃アニサキス症の治療には薬物は使用されず、胃カメラを用いて虫体を摘出・除去する必要があります。


予防法は?
 内臓に寄生するアニサキスの幼虫は、漁獲後に筋肉へ移行することがあるため、魚を購入する際は新鮮なものを選び、迅速に内臓を取り除くことが重要です。生の内臓を食べないように気をつけましょう。また、魚が生きている段階からアニサキスが筋肉へ移行している場合もあるため、注意が必要です。


生魚を食べる際の注意点
 生魚が好きで、季節のお刺身を楽しみたい方にとっては悩ましい状況かもしれません。そこで、以下の点に留意することでリスクを軽減することができます。


・冷凍や加熱: アニサキスは冷凍(-20℃で24時間以上)や加熱(70℃以上または60℃で1分以上)によって死滅しますので、この対策を行うと安心です。
・観察と咀嚼: 生魚を食べる際は、身の中に「白い糸」のようなアニサキスがいないかを注意深く観察しましょう。見つからなければ、咀嚼を十分に行うことでリスクを低減できます。

 生魚の美味しさを楽しむ一方で、胃アニサキス症に気を付ける必要があります。これらの予防方法と注意点を守ることで、安心して食事を楽しむことができます。皆さんも健康な食事を心掛け、食材の安全性に配慮しましょう。


つくしの駅前内視鏡クリニック 松本 育宏 先生

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