身近な医療情報
訪問診療を勧められたら
ご近所には、余り知られたくないし…
同席してくれたケースワーカーに探してもらう、ここまで関わってくれたケアマネージャーや訪問看護師に相談する、どれも正解です。では、入院するまでの病状を一番知っているのは患者さんとご家族と、この中の誰でしょうか? …忘れていませんか?入院の時に、診療情報提供書(紹介状)を書いてもらったかかりつけのクリニックのことを。
かかかりつけの医師に相談する
受け持ちの患者さんが入院すると、病院は経過をかかりつけ医に問い合わせ、照会を受けた医師はこれまでの様子を紹介状にしてお知らせしています。何か新たに見つかった疾患はないか、状態は回復したのか、無事退院できるのか。かかりつけ医はその後の連絡を心配しながら待っています。そんなかかりつけ医に、退院後のことで相談しない手はありません
今後のことを、一緒に考える役目があります
状態が安定して退院の見通しが立つと、病院は転院が必要なのか、通院にするのか、どの時点でかかりつけ医に逆紹介するのかを検討し、かかりつけ医はどんな状態なら自分で引き受けられるのかを病院と一緒に考えます。以前は医療者側だけで検討し、ご家族に提案して決まることが多かったのですが、患者さんご本人が積極的にかかわり、ケースワーカーやケアマネージャーも参加するようになって、地域の多職種で支える体制が整ってきております。下の図は、厚生労働省が進める「地域で患者さんを支える体制づくり」です。病院・開業医・訪問診療が連携して、患者さんとご家族を訪問看護、介護サービス、行政とともに支えることで、退院後に状態が変化した場合にも素早く、適切な対応が可能となります。
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こんな状況でも大丈夫ですか?
訪問診療を、かかりつけ医が標ぼうしていないというご意見もいただきますが、であればなおさら、かかりつけ医は患者さんをどんな医師にお願いすればよく診てくれるかを知っています。いつも混んでいるクリニックでも、ご本人が入院中でも大丈夫です。一度声をかけてみてください。
図:令和5年度第3回医療政策研究会(令和6年1月19日開催) 資料「かかりつけ医機能について」厚生労働省医政局総務課 より「地域完結型の医療・介護提供体制の構築」
ふなだまり診療所 高橋 航 先生

