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機能性ディスペプシア(functional dyspepsia)という病気

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機能性ディスペプシア(functional dyspepsia)という病気

 機能性ディスペプシアとは、胃の痛みや胃もたれが続くにもかかわらず、内視鏡検査をしても、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの異常を認めない機能性疾患のことを言います。機能性疾患とは、内視鏡検査で異常が認められないが、内臓の働きが悪くなる状態で、ディスペプシアとは消化不良という意味です。この病気の概念は最近になり確立されたもので、今まではいわゆる慢性胃炎や神経性胃炎という名で診断されていました。


<原因>
 正常の状態の胃は食べ物が口から胃に達すると、胃の上部を広げて胃に食べ物を蓄える働きがあります(貯留機能)。次に波打つように動く蠕動運動により、食べ物と胃液を混ぜ合わせます(攪拌)。さらに食べ物を消化し粥状にし、それを十二指腸へ送り出す働きをしています(排出)。この3つの運動機能のいずれかの障害により機能性ディスペプシアの症状が引き起こされると考えられています。また、胃の知覚過敏や生活上のストレスなどの心理的要因、脂肪分の多い食品、コーヒー、アルコール等の嗜好品の過剰摂取も一因と考えられています。


<症状>
 主に4つの症状が認められます。①食後のもたれ感、②少し食べただけですぐにお腹がいっぱいになる(早期飽満感)、③みぞおちの痛み(心窩部痛)、④みぞおちの焼ける感じ(心窩部灼熱感)などがあります。


<治療>
 機能性ディスペプシアの治療は、生活習慣の改善、食事療法、薬物療法が行われます。過食や早食い、深夜の食事、喫煙、過度なアルコールを控え、過労や睡眠不足、ストレスに注意することです。薬物療法は、患者さんの症状や原因に合わせて以下の適切なものが選択されます。①消化管機能改善薬、②酸分泌抑制薬、③抗うつ薬・抗不安薬、④機能性ディスペプシア治療薬(新薬です。神経伝達物質のアセチルコリンの分解酵素を阻害することにより、胃の運動低下や、食物排出遅延を改善させる働きがあります。)


 木下内科胃腸科 木下 剛 先生  

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