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大人の発達障害

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身近な医療情報

大人の発達障害

【はじめに】
 忘れ物やミスが多い、コミュニケーションがうまくいかない、提出物の期限が守れない、段取りが悪い、空気が読めないと怒られる。仕事や生活に何らかの支障をきたしている人が増えています(また私の外来を受診される患者さんの背景に発達障害を感じる事はかなり増えています)。このような事が子供の頃から続いているなら、努力不足ではなく、発達のアンバランスが関係している可能性があります。発達障害とは、発達上の個性/特性が日常生活を困難にさせている状態をいいます。こういう「特性」をもつ成人は障害とは気づかれなく、「努力が足りない」と誤解されて悩みます。発達障害には、学習障害、広汎性発達障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)などがあります。以下に簡単な説明を加えます。


【学習障害】
 知能に大きな問題はなく、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」、「計算する」などの1つ以上がうまくできない状態。


【広汎性発達障害】
 自閉症やアスペルガー症候群を含む総称です。「社会性」、「コミュニケーション」、「想像力」に特性があり、聴覚や嗅覚に過敏さが認められます。生活に困難を抱えながらも周囲にはそれがわかりにくいので、「わがままで自分勝手」、「空気を読まない」と辛い思いをしてきました。人との衝突も少なくありません。これは性格の特徴ともいえ、「人に左右されない」といった長所とも言えるでしょう。しかし社会生活に支障をきたすならば、自分の特性を知って対処法を考える事も必要です。


【ADHD】
 不注意、多動性、衝動性が主症ですが、 成人では多動は少なくなります。よくみられる症状は、落ち着かず集中できない、不適切な発言をする、他の事を言われるとそれまでにやっていた事を忘れる、など。子どもの頃から悩まれている方が少なくありません。怠けていると自責的となり、親の育て方が悪かったといわれ、誤解のなかで辛い状況に置かれてしまいます。前述と同様に自分の特性を把握する事で、生活を改善する事はできます。


【発達障害かと思ったら】
 一人で悩まず、相談しましょう。身近なところがいいでしょう。従来は子供にしか使えなかったADHDの薬が最近は成人にも使えるようになり成人の初診が増えています。しかし大人の発達障害への考え方は精神科医のなかでも、へだたりがあります。受診の前に町田市保健所などで相談し、必要なら医療機関に進むのが現実的です。


 町田こころのクリニック 中川 種栄 先生

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