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学童の色覚異常について

 平成27年度より町田市の小中学校では色覚検査の実施について周知を行い、希望者に検査を行うことになりました。その経緯には学童が自身の特性を知らないまま、就職で初めて色覚の異常を知る、といった報告などがあったためです。


 ここでは学童の色覚異常についてお話します。
 色覚異常とは色の見え方が他人と比べ差があり、色覚検査で異なった結果を示すことです。特に学校での色覚異常と言われるもののほとんどが先天赤緑色覚異常を指しています。これは目の奥の網膜にある錐体の異常が原因で1型色覚と2型色覚に分類されます。発生頻度ですが、日本人では男性の5%、女性では0.2%です。また女性が保因者になっていることもあります。


 では色覚検査にはどのようなものがあるのでしょう。まず色覚異常のスクリーニングには石原色覚検査表が用いられることが多いようです。さらに程度判定にはパネルD15テスト、1型色覚と2型色覚の判別にはアノマロスコープなどを用いて調べます。


 色覚異常の方の見え方ですが、多くは色の組み合わせにより見分けにくい色があるというもので、白黒の世界などということはありません。例えば赤色と緑色、オレンジ色と黄色、青色と紫色などの色の組み合わせが見分けにくい事があるようです。
 治療については、残念ながら有効な治療法はありません。ただここを強調したいのですが、ほとんどの場合、日常生活に困ることはありません。


 進学、就職についてですが、一部の特殊な大学等を除き最近では制限が無くなっているようです。普通自動車運転免許もほとんど問題なく取得しているようです。就職については飛行機のパイロット、警察官などでは制限を受けるものや、適性がないものがあります。 しっかりとした知識を持ち色覚異常を正しく理解することが大切です。気になる方はお気軽にお近くの眼科でまずは相談してください。


北村眼科クリニック  北村 静章 先生

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