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のどの詰まりにご用心

 毎年のように、お正月に食べ物をのどに詰まらせて救急車で病院へ搬送されるといったニュースを見聞きします。高齢者の方は嚥下(えんげ)機能、咀嚼(そしゃく)機能が低下するため、食物を大きな塊のまま飲み込んでしまうことでのどを詰まらせる(窒息する)ことがあります。また、乳幼児は手にしたものを何でも飲み込んでしまうことがあり、食物やそれ以外のタバコや電池などによって窒息してしまう痛ましい例もあります。


 もし皆さんの身近な方がそのような事態になってしまったときは、どうすればよいのでしょうか。もちろん、救急車を呼ぶことはとても大事ですが、待っている間にどうにかして詰まったものを吐き出させることができないでしょうか?


 方法として、腹部突き上げ法と背部叩打(こうだ)法があります。成人と小児には両方法を、妊婦と乳児には背部叩打法のみを行って下さい。


 まず、腹部突き上げ法ですが、成人に対しては①背中から両腕を回し窒息者のおなかを抱えるようにする②片手で握り拳を作り、鳩尾(みぞおち)のやや下に当てる③その上をもう一方の手で握り、斜め上(自分の胸)に向かって素早く突き上げ圧迫する、を行います。小児も同様です。


 次に背部叩打法ですが、成人に対しては①自分の手の付け根で肩甲骨の間を力強く何度も連続して叩く、を行います。乳児の場合は①自分の片腕の上にうつぶせに乗せる②手のひらで乳児の顔を支えながら、頭部が低くなるような姿勢にして突き出す③もう一方の手で、背中の真ん中を異物が取れるか反応がなくなるまで強く叩く、です。この方法を冷静に行って下さい。


在宅療養支援クリニック かえでの風 宮木 大 先生
(「広報まちだ」2016年2月1日号「健康メモ」より転載)

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